「九星氣學」の「氣」の文字が示す通り、便宜上「九星」と分類しますが、正しい意味としては「星」というよりも「氣=エレメント=五行」と解釈した方がわかりやすいといえます。
本記事では、各九星及びその定位にあたる宮が司る主だった象意について解説します。
格星、宮が帯びる象意は代表的な物にとどまります。そこから事象を類推、広げて解釈することが必要です。また、吉方位であれば各象意を良い意味で、凶方位であればその象意を悪い意味に解釈します。
九星及び定位宮の主だった象意
一白水星 坎宮(水)象意
易象
「坎=水」であり、八卦の意味は陥る(坎=陥“かん”)、悩み、苦労、始まり、交わりを意味します。
“陥る”は、水は高い方から低い方に流れるように、徐々に下るより、傾く、流れ落ちる…のように類推していきます。水は不定形であり形状は場所や容器によってさまざまに変化しますので、転じて柔軟性に富む、変化の象徴でもあります。
“悩む”は、水は冷たいですから心が安まらない。また一度動かすと、なかなか収まらなかったり、こぼれた水をもとには戻せないことから、考え事、キリ無く悩み事は続くという意味に転じます。
“苦労”は、水は万物を育む陰的な存在であり、海や川、湖などが豊かに豊富に水をたたえますし、蛇口をひねればいくらでも水が流れ出てくるように、なかなかそのありがたみを、その貴重さを実感することができないことから、苦労が報われない、転じてキリ無く終わりがない
“始まり”は生命は海より誕生したように、あらゆる生を育み支えることより。
“交わる”は、一滴一滴の水が集まって川や海にそそぐ様子より。
形状=不定形、穴のあるもの、穴が開いたもの(陥るという意味より)
味覚=塩辛い(鹹味)
色=白、黒
季節=冬
時間=深夜(23時~午前1時)
方位=北(子)
象意
裏、秘密、失意、失恋、怨恨、失せ物、妊娠、色欲、再生、夢、裏切り、忍耐、スピリチュアル、精神、始動、落とし穴
天氣
寒氣、冷氣、霜、雨、雪、霧、湿氣
場所
裏門、裏口、寝室、浴室、台所、トイレ、床下、暗い所、裏路地、洞窟、湖海、遊郭、ガソリンスタンド、酒蔵
人物
中年男性、次男坊、宗教関係、水商売、飲食業、漁師、目の不自由な人、妊婦、盗賊
生理
腎臓、生殖器、目、鼻、耳、冷え
二黒土星 坤宮(土)象意
易象
「坤=地」であり、二黒土星及び坤の意味する「地」は平らであり、田畑を表します。易経の坤為地の卦辞にある「牝馬の貞に利し」より、“従順”、“素直”、“実直”を象徴します。母性であり生み育てるより“化育”。一方で天地を比べると、地は卑しいという意味があり、転じて“地味”、“粗末”、二流品
といった解釈をすることがあります“従順”“素直”より、性質は穏やかで朴訥、一方で目立たず平凡。
“実直”よりコツコツ積み上げる、継続性、努力、忍耐を司ります。
坤より想像する「地」は大地であり、草原や平野で起伏には富みません。従って性格も穏やかであったり、のんびり、悪く言えば特徴がないという解釈となります。
形状=平方、正方形、長方形
味覚=甘味(上品な甘味)、旨味
色=黒
季節=晩夏、初秋
時間、午後13時から15時ごろ
方位=南西(未、申)
象意
母、妻、大地、鈍重、物思い、温厚、丁寧、努力、冲実、慈愛、怠惰、二流、大衆、四角
天氣
曇り、風がなく穏やか、霧、霜
場所
地球、平地、講演、田園、農村、土蔵、古い家、母屋、寝室、物置
人物
母、妻、祖母、老女、相方、農夫、職人、貧しい人、助産婦
生理
腹部、腸、へそ、右手、胃、消化不良、皮膚病、腫物
三碧木星 震宮(木)象意
易象
「震=木」ですが、大木ではなく発芽したばかりの若木、または木ではなく風になびく草と取る場合もあります。そこから“若々しい”“活動的”“発展”という良い面と、“焦り”“過失”“騒動”“騒音”という悪い面を併せ持ちます。
“震”の字が著す通り災害を司るので、震宮(木)や三碧木星が回座する宮に暗剣殺や五黄殺、日破が付く日は地震がや災害が起きやすいとされます。
形状=音あって形なし(雷の象意より)、姿が見えず、虚ろ
味覚=酸味(果実の酸味)
色=青、碧
季節=春(早春の3月ごろ)
時間=午前5時~7時ごろ
方位=東(卯)
象意
晋(進)、青春、音、伝達(通信)、発明、現れる、騒動、喧嘩、楽器、電気、移転、演説
天氣
雷、晴天、にわか雨、地震、噴火、津波、竜巻
場所
震源地、戦場、原野、門戸、発電所、放送局、劇場、八百屋
人物
長男、若者、歌手、アナウンサー、後継者、詐欺師
生理
神経、気管支、咽喉、脛、ノイローゼ、ヒステリー、リウマチ、肘やひざの打ち身
四緑木星 巽宮(木)象意
易象
「巽=風」より、少しの隙間にも吹き込んでくることから“伏入”“早い”“出入り”を意味します。季節は穏やかな春爛漫の時期にあたることから万物が順調に生育するので、“整(調、斉)う”“成長”。風は遠方より吹き遠方に向かって吹き去っていく、また方向が一定でなかったり吹き続けたり、何度も吹き寄せるのでので、“迷い”“遠い”“長い”“繰り返し”、そこから“旅行”“通信”、人間関係では“信用”“信頼”また整うということから“縁談”“結婚”の象意があります
五行の「木」は三碧木星に比べ成長した樹木を表します
形状=長い物、整った象
味覚=酸味(酢の酸味)
色=青(緑がかった青)
季節=春から初夏
時間=午前8時~10時ごろ
方位=南東(辰、巳)
象意
呼吸、整理し遯、遠い、信頼信用、評判、取引、縁談結婚、精神、旅行、人や心の往来、報告、宣伝、従う、交通
天氣
風(季節風)、曇り、雲
※四緑木星中宮日は強風が吹きやすい
場所
玄関、道路、電車、駅、森林、郵便局、平地、旅館やホテル(旅行の象意より)
人物
長女、美容師、林業や大工など木を扱う人、電車やバスの運転手、パイロット、広告業者、旅行者、道に迷った人
生理
皮膚、股、腸、左手、頭髪、気管、食道、動脈、神経、感染症
五黄土星 象意
易象
五黄は後天図の中央に位置し、天と地の間に存する「人」を司ります。天地の恩恵を受けながらも、自然を征服したり海や山を切り拓く人の存在は時として傲慢で、世界を支配しているという錯覚すら抱きます。従って五黄土星の象意は“強い”“支配”“独占”ですが、その作用が強力であることから“破壊”“腐敗”“死滅”といった吉凶の起伏の激しい象意を持ちます。
五行の「土は、二黒土星が平地とすると、五黄土星は荒れ果てた荒野のイメージです
形状=腐敗したもの
味覚=甘い(こってりした甘ったるい、砂糖の甘さ)
色=黄
季節=四季の土用
時間=中宮のため定まった時間はありません
方位=中宮のため定まった方位はありません
象意
権力、支配、独裁、独占、強権、腐敗、壊滅、荒廃、暴虐、残酷、破産、絶望、蔓延、古いもの、壊れた物、毒物
天氣
曇天、荒天、天変地異、台風、暴風雨
場所
中央、墓地、荒野、古戦場後、未開地、廃屋、廃棄物集積場、最終処分場、火葬場
人物
首謀者、首相、親分、古物商、廃品回収業者、高利貸し、暴力団員、強盗、浮浪者、葬儀社、死者
生理
心臓、内臓全般、潰瘍、浮腫、便秘、高熱、重度の感染症
六白金星 乾宮(金)象意
易象
「乾=金」で全陽の乾為天が示す“天”“太陽”を司ります。作用としては“乾=健・堅・元”でありそこから転じて“高い”“尊い”“運動”であり“成就”や“完成”を意味します。人に例えると“頭領”“元首”であり、一家においては家長である“父”を意味します。また天ははるかに高い存在であることから、“至高”“神聖”な存在であり、転じて寺社仏閣などのパワースポットを示します。
五行の「金」は加工前の鉱石(原石)の状態です。
形状=大きい物、丸い物
味覚=辛味
色=白
季節=晩秋(10月~11月)
時間=19時~22時ごろ
方位=北西(戌、亥)
象意
天、父、太陽、充実、高級、上等、健やか、円、多忙、権力、拡張、施し、上流階級、完全、完成、威厳、至高、神聖
天氣
晴天、青空、寒晴
場所
首都、大都市、官庁、寺社仏閣、教会聖堂、高層ビル、集会所、スタジアム、繁華街、城郭、人が集まる場所全般、自動車、ターミナル
人物
天皇、総理大臣、社長、賢者、夫、父、僧侶、外国人、弁護士、エンジニア、貴金属商、運転手
生理
頭、心臓、左肺、血圧、骨、皮膚病、めまい、ノイローゼ
七赤金星 兌宮(金)象意
易象
「兌=沢」で河川を表します。河川には水を飲み動物たちが集うように、水を飲むときは肉食獣も草食獣を襲わないことから“和悦”を司ります。川や沢は窪んでいるから水が流れるのであって、窪んだ形状から転じて“欠ける”“不足”を意味したり、水が注ぎこむことから“集まる”“溜まる”の象意があります。「兌」は口であり女性器を象徴し、“飲食”“生殖”そこから“喜び”を司ります。
五行の「金」は六白金星が鉱石に対し、七赤金星は加工した貴金属を表し転じて“財”“金運”を司りますが、河川から“流れる”で定期収入や財産というよりも、“臨時収入”“不労所得”を表します
形状=凹んだもの、欠けた物
味覚=辛味
色=赤、紅
季節=早秋(9月)
時間=17時~19時頃
方位=西(酉)
象意
少女(三女)、沢、秋、喜び、金銭、甘言、愛嬌、娯楽、欠陥、遊興、飲食、笑い、嘆き
天氣
日没、夕日、西風、涼風、変わりやすい天氣、晴れのち雨、新月
場所
窪地、沼、溝、側溝、ため池、井戸、養鶏場(酉の方位より)、遊郭(和悦の象意)、水商売(飲食店)、歓楽街、式場
人物
歌手、芸人、ホステス、妊婦、飲食店経営者、銀行員、歯科医(金=歯)、通訳、貴金属商、サービス業
生理
右肺、口周り、舌、歯、喉、呼吸器、女性器、血液、心臓回り
八白土星 艮宮(土)象意
易象
「艮=山」目の前に立ちはだかる絶壁のような頂を前に、人は思わず足を止めます。転じて艮には“止”“断”“始”“革”の字があてられ、このうち“革”は「改める」という意味で、とどまってしまったものをそのままグズグズしてはいられないから、早急に路線を変更するという意味です。
五行は「土」ですが意味合い的には“岩”で、二黒土星や五黄土星に比べると固く、変化に乏しいです。転じて“意志強固”、“不動心”、“蓄財、貯蓄を司りますが、一方で頑固、頑な、融通が利かないといった象意にもなります。五行は「土」ですが、二黒土星を平野、五黄土星を荒野とすると、八白土星の艮宮(土)は、山を象徴し、そこから転じて“起伏”“障害”“中断”を表す一方、再出発、変革、革命といった意味を表すことがあります。
形状=凸型
味覚=甘味(サッパリした甘味)
色=白
季節=厳冬(1~2月)
時間=午前1時から5時頃
方位=北西(丑、寅)
象意
親子関係、(年下の)兄弟、親戚、山岳、故郷、相続、曲がり角、終始、変わり目、高い、蓄積、後継者、不動産、改革、終点、断絶、開始、復活
天氣
立春、曇天、気候変動、季節の変わり目
場所
家屋、倉庫、アパート、マンション、ホテル、駅、駐車場、山、高台、階段、橋梁、突当り、玄関
人物
子ども、相続人、兄弟、太った人、背が高い人、蓄財家、不動産業、土木業、無精者、リサイクル業、ホテルマン、警備員
生理
右半身、手足、関節、背中、腰、耳、鼻、盲腸
九紫火星 離宮(火)象意
易象
「離=火」燃え盛る真夏の太陽であり、正午の太陽を意味し、精氣盛んな様を表します。太陽、火は闇を照らすので“明るい”“美しい”“華やか”“派手”あるいは“露見”“明るみになる”といった意味があり、転じて“華美”“美術”“芸術”またそれを学ぶ“学問”“学者”“知識”という意味があります。また火は燃え移ったり、薪が無くなると火性が衰え消えてしまう事ことから“離合集散”を表し転じて“離別”を表します。また、熱を帯びるので“激情”“熱意”“争い”を表します。
味覚=苦み
色=紫
形状=三角形、舟形、うろこの象
季節=盛夏(夏至までの6月)
時間=午前11時から13時頃
方位=南(午)
象意
貴、政治、学問、教育、最高、美しい、火、太陽、光、離別、露見、発見、発明、解雇、対立、高慢、装飾、栄転、名誉、文書、白黒はっきり、結論
天氣
夏、快晴、暑氣、温暖、南風、日柱、虹
場所
裁判所、警察署、灯台、消防署、試験場、国会、文具雑貨店、化粧品店、宝飾美術品店、図書館、博物館、教会、役所
人物
賢者、教養のある人、中年の女性、教員、医師、監視員、美容師、芸術家、神主、俳優、女優、デザイナー
生理
心臓、目、頭脳、乳房、頭髪、顔面、血液、血圧
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