周易の技法③ 互卦、互体
得た得卦から、今何をかかえているか?どんな課題があるのかを探る方法が「互卦(ごか)」「互体(ごたい)」です。

互卦
互卦とは、得た卦象の2爻、3爻、4爻で内卦を取り、3爻、4爻、5爻で外卦を取って別の卦象を導き出します。
2爻=陰爻(- -)、3爻=陰爻(- -)、4爻=陰爻(- -)で坤の八卦が導き出せます。
一方で3爻=陰爻(- -)、4爻=陰爻(- -)、5爻=陽爻(—)で艮の八卦が導き出せます。この二つを組み合わせると「山地剝」の卦が得られます。

互卦とは風地観という卦象が内側に持っている問題、近未来と考えます。
山地剝とはどんな卦象でしょう?
剥は、往く攸有るに利ろしからず
(”剥”の時は進んで物事を行ってはならない。良くない時である)
という言葉がかけられてますから、むやみやたらに進めると思わぬ危険が待ち構えている様子を暗示しています。
剥は剥がす、剥ぎ取るという意味ですから、何か大切なものを失ったり、失敗して大きな損失を被ってしまうかもしれません。
そこで占った物事に対して、この「山地剝」という内容を重ね合わせて考えまます。
例えば、仕事の今後、転職の可否を占ってこの風地観を得たとします。
風地観の時は積極的に動いてはならない…
観は盥(てあら)いて薦めず。孚ありて顒若(ぎょうじゃく)たり
(”観”の時は手を洗い身を清めて物事は誠心誠意真心を込めて慎重に進めるべきである。)
という言葉がかけられていますから何か衝動的に辞表を叩きつけて辞める…のような一時的な衝動に駆られての行為行動を戒めるのです。

また内包するのは山地剝ですから、一時的な衝動にかられ仕事を辞めた結果、転職先がなかなか見つからなかったり、あったとしてももっと条件や給与が下がってしまうかもしれません

それでは互卦と異なる互体とは何でしょう?
互体
互体とは、互卦同様に得卦の内側に含まれている卦象を探り、事態の変遷を探る技法です。
互卦とは異なり、今度は初爻、2爻、3爻で内卦を取ると同時に2爻、3爻、4爻で外卦を取ります。

2爻=陰爻(- -)、3爻=陰爻(- -)、4爻=陰爻(- -)で坤、内卦も坤ですから、合わせると坤為地という卦が出来ます。
ここから相談者が抱える悩みの一端を探ります。先ほどと同様に「転職を検討してる」という相談であれば、内包する坤為地は平坦な大地、転じて地味、平凡という意味を類推します。
また坤為地の卦の卦辞は…
坤は元(おお)いに亨る。牝馬(ひんば)の貞に利ろし。君子往く攸あり。
先んずれば迷い、後れれば主を得る。西南朋を得るに利ろし、東北朋を喪うも、貞に安んずれば吉
坤為地の卦は牝馬の象に例えられ、牝馬は雌馬で従順であることを求められる時です。
ここから上司の言いなりで自分を発揮できない、仕事は同じことの繰り返しでやりがいを感じられない。或いは本当にやりたいことと今の仕事が異なり転職を悩んでいる…という相談者の心理を読み解きます。

あるいは平凡という意味では、給料が安いことが転職の動機かもしれません。
ところで互卦と異なり互体は爻位をずらして別の卦象を導き出せます。

図のように、3爻、4爻、5爻の艮を重ね合わせれば「艮為山」となります。
艮為山は山脈の象(かたち)で、山は不動の象徴ですから停滞、停止を意味します。また山脈はしばしば国境や県境となることからここから変化を類推します。
停滞と取るならば相談者は変わり映えしない毎日に辟易としている感じです。
変化と考えるならば、転職を検討していそうですが、山脈の表す変化は、峠を越える…で潮目の変化の実感は乏しいですから、積極的な転職活動というよりは、休憩時間や就業中にこっそり転職サイトを除いている…そんな様子が想起されます。

あまり積極的な行動をとっていたり、転職という動機に何かポジティブな夢や希望があっての転職の動機には思えません。
また3爻、4爻、5爻の艮に対し、上卦の巽を合わせれば「風山漸」となります。

風山漸は渡り鳥が段階を経て空に旅経っていく様を表す象です。ここから手順、段階を経るという徳を求められます。
漸は女婦(とつ)ぐに吉。貞に利ろし
(”漸”の時は女性が他家に嫁ぐ様子であって吉である。正しくありなさい)
卦辞はこのようでありますから、もし転職という気持ちに変わりがないのであれば、辞表を叩きつけてやめる…のような衝動的な行動はとらず、会社の内規に従い、退職日の一定期間前に申し出る。渡り鳥が旅だつ、「立つ鳥跡を濁さず」のように、労使ともに円満に話を勧めるべき時…と考えるのです。




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