桜田虎門「五行易指南」現代語訳 119
○身命 世爻応爻
世爻が父母を生じる時は、世爻は孝順の子どもである
世爻が兄弟を帯び旺相発動し、白虎や螣蛇を帯びて応爻を刑、剋し(※)、もしこの時応爻が無氣、衰弱ならばその人物は妻を虐待する人物である(※易照注・原文は“刑害”であるが、害は凶意が少ないので剋と改めた)
世爻・応爻共に相合するときは夫婦仲睦まじい象である。相冲の場合は反目し合う
応爻が世爻を冲剋するときは、世爻は恐妻家である
占って応爻が世爻を剋するときは凶であるが、もしこの時世爻が兄弟や官鬼であり白虎や螣蛇などの凶神を帯びるような時は、これを「身上の鬼を去りて憂いなし」と言いかえって吉とする。良妻が自身を支えるのである
応爻が子孫を帯び勾陳を伴って旺相し、もし空亡や墓絶のような傷が無ければ妻は容姿は醜くても賢い妻である
応爻が妻財を帯び世爻を合する場合、その上応爻が妻財を帯び世爻を刑したり害する場合は、その妻は芸伎の出自である

○身命 六冲卦・六合卦
六冲卦を得る時は前半生は順調だが晩年に苦労する。冲中逢合(※)は後に大成する。(※易照注・冲中逢合は六冲卦が六合卦に変わったり、離宮(火)化を得ている時世爻が日辰から合される場合)
六合の卦を得たならば、その人物は控えめな性格で多くの人に親しまれ、自ら事業をおこしたりする有徳の士である。ただし合処逢冲(※)の場合は晩年に挫折することがある。(※易照注・合処逢冲は六合卦が六冲卦に変わったり、六合卦を得て世爻が日辰から冲を受ける場合)

不変卦を得て世爻が暦から冲や剋(※)の作用を伴わないような時、あるいは暦から好作用を得る時は一家安泰の象である(※易照注・原文“冲破剋害”であるが、冲も破も同義であるし、月建、日辰からの害の作用は占験をみないので改めた。次項も同じ)
乱動の卦を得て、世爻が暦から冲や剋の作用を受ける時は、一家親戚は不和でもめ事が多い象である
○身命 求職
仕事のことを占う時は、子孫の発動疽嫌う。
もし世爻が官鬼を帯びて暦からの好作用を得たり、妻財の原神の生を受けたり、あるいは五爻から生合される時は大吉の象である
○身命 出産
子どものことを占う時は、子孫爻が空亡したり日辰に墓絶したり、子孫爻が暦から剋を受ける良いなときは凶象である。一方で暦や原神となる兄弟からの生を受けるようなとき、あるいは伏神していても提抜できる用神であるならば、その値の歳に出産すると断じる
○身命 晩年
寿命を占う場合は、占って世爻が休囚したり、暦や忌神から剋を受けることを嫌う。
もし子孫爻が発動し世爻を生じる時は、老境に至って子どもが出来たり、孫が出来かわいがる様子である。もし妻財が発動して世爻を合するときは晩年に至っても夫婦仲は睦まじい様子である

もし世爻が旺相している時、子孫から剋を受ける時は、長寿と言っても晩節は子孫のことで頭を悩ます
もし、子孫爻が空亡したり、日辰に墓絶している時、兄弟の発動が無く、かつ妻財が無氣ならば晩年独居老人として孤独を味わう
○身命 寿命
寿命を占う時は身命占とは別に分占して断じると良いだろう。世爻を生じる、則ち原神となる地支を刑、冲、剋(※)する年月を考慮し、あるいは世爻の帯びる地支を刑・冲・剋する年月と生合して寿命の長短を推断する
(※易照注・原文“刑冲剋害”であるが、害は除外した)
○身命 本卦と之卦
身命占に関わらず、占って最初に得た本卦は現況や過去のことを表し、之卦は未来や結果を表す。もし本卦が凶卦を得た時は、これまでは苦労があった年、之卦に吉卦を得るような時は、以後運が開けていくと推断する。
ただしあらかじめ将来のことを占う場合は本卦を近い将来とし、之卦を遠い未来として断じる(※易照注・原文“本卦と言えどもやはり将来のこととすべし”を一部改訂)

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