桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉘

「五行易指南」現代語訳
Pocket

桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉗
用神多現の解説

桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉘

巻2 伏神の用(※1)

隠れ身の術のイラスト(忍者) | かわいいフリー素材集 いらすとや

飛神とは64卦に配してある12支の六親(五類)を言う。伏神とは64卦に配した12支内に六親(五類)が現れない場合、得た卦の首卦(本宮八純卦)の六親(五類)を用いて、首卦においてその六親(五類)の爻位の飛神の下に伏神として配することを言う。

例えば、天風姤の卦の飛神は初爻より「父母・子孫・兄弟・官鬼・兄弟・父母」で「妻財」が欠ける。そのために天風姤の属する乾宮(金)の首卦である「乾為天」よりの爻の妻財の寅(木)を用いて、天風姤の二爻である子孫の亥(水)の下に伏す。

得た卦中に現れず、本宮首卦にある為に「伏蔵」「不現」といい、これを伏神という。

 

 

 

 

 

 

また、地雷復の卦には父母がないために、坤宮(土)首卦である坤為地より2爻の父母の巳(火)を用い、地雷復二爻の官鬼の寅(木)の下に伏す。

 

 

 

 

 

 

 

また、天水訟の卦には官鬼が無いために、巽宮(木)首卦である巽為風より三爻の官鬼の亥(水)を用い、天水訟三爻の兄弟の午(火)の下に伏す。

これらの例と同様に、得た卦に六親(五類)が卦中に全て揃わない場合は、その卦の本宮の首卦より同様に不足する六親(五類)を用いて、あるべき爻の下に伏すのである。

 

 

 

 

 

 

(※1)本文小題「用神伏蔵」とあるが、占時に用いる用神と混同してしまうために「伏神の用」と小題を改めた

巻2 伏神出不出

伏神は伏蔵するために、本来用を成すことができないのであるが、これを助ける者がある時は卦上に出現して用を為す。これを「提抜」という。その条件は4つある。

1つには、日辰や月建が伏神に生を与える時、あるいは日辰月建に臨み「併起」に遭う時、伏神は提抜される。

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-112.png

2つには、伏神が伏す爻の飛神より伏神が生を受ける時、或いは卦中の動爻より生を受ける時、伏神は提抜される。

飛神より生を受けるとは、例えば天風姤の伏神・妻財の寅(木)は、伏す二爻の飛神である子孫の亥(水)より生を受けるようなことを言う。

 

 

 

 

 

 

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-114.png

他動爻より生を受けるとは、伏神する爻の飛神ではなく、得た卦の中の動爻より生を受ける場合をいう。例えば天水訟の卦を得て官鬼の亥(水)は、天水訟の三爻の下に伏神するが、五爻の妻財の申(金)が発動するような時は、五爻より生を受けるようなことを言う。

 

 

 

 

 

 

3つには、日辰や月建または卦中の他の動爻が、伏神が伏す爻の飛神を剋するまたは冲する時、伏神は提抜される。

例えば地山謙の卦は二爻に遭い材の卯(木)が伏神するが、占った時が子月であったり、子日である場合は飛神の官鬼の午(火)を月建又は日辰が冲するので伏神の卯(木)は提抜される。

 

 

 

 

 

 

 

あるいは沢雷随の卦は四爻に子孫の午(火)が伏神するが、もし三爻の妻財の辰(土)が発動する時は、飛神である父母の亥(水)を剋するので伏神の午(火)は提抜される。

 

 

 

 

 

 

4つには、飛神が空亡したり月破に遭う時、または休囚して墓絶する時、伏神は提抜される。

一方で提抜できない条件も4つある。

1つには、伏神が卦中にこれを生じる動爻もなく休囚無氣であり、なおかつ月建や日辰から剋を受ける時は提抜されない。

2つには、飛神が卦中動爻より生を受ける旺相爻であり、かつ月建や日辰から生を受けるような時は提抜されない。

3つには、伏神が日辰に墓絶する場合、あるいは飛神に墓絶する場合は提抜されない。

伏神が飛神に対して墓するとは、例えば山沢損の卦には子孫の申(金)が三爻に伏神するが、飛神は丑(土)であるがために、伏神は飛神に対して墓運に当たる。

 

 

 

 

 

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-116.png

伏神が飛神に対して絶するとは、例えば沢雷随の卦には子孫の午(火)が四爻に伏神するが、飛神は亥(水)であるがために、伏神は飛神に対し絶運に当たる。

 

 

 

 

 

 

4つには、伏神が休囚して、なおかつ空亡に遭ったり、月破に逢う者は提抜されない。

尚、伏神(※2)が旺相して空亡に遭う時は、空亡が明ける時に提抜される。

(※2)本文は「用神」とあるが、占事の用神と混同を避けるために「伏神」に改めた

Pocket

コメント

  1. […] 桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉘ 伏神の解説 2021.11.19 桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉗ 用神多現の解説 2021.11.19 易経「繋辞下伝」を読み解く④ 易照の方位予報 11月20日予報 聖人に至る為、身に着けるべき修養の一つ「仁」を、孔子は易経を通じて重ねて強調する 2021.11.19 正20面体 易照の方位予報 11月19日予報 正20面体に“陰陽統合”の象徴を見る 2021.11.18 易経「繋辞下伝」を読み解く③ 易照の方位予報 11月18日予報 占って、得た卦より感じること、あるいは占う前に、易の卦のどの段階にあるのかを感じたり想像することが極めて重要です。 2021.11.17 スポンサーリンク 入口に戻る 鑑定内容を確認 […]

タイトルとURLをコピーしました