桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉙

「五行易指南」現代語訳
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伏神の解説

桜田虎門「五行易指南」現代語訳㉙

巻2 遊魂皈魂(帰魂)

卦に遊魂と皈魂(帰魂)というものがある。遊魂とは本宮を出て他の宮に遊び行くという意味である。

魂とは形態に宿る精神のようなもので遊魂の卦は、その形態は本宮にあるのだが、その精神は他の宮に遊び行き、心ここにあらずの状態である。乾宮の遊魂卦は火地晋、兌宮の遊魂卦は雷山少過、離宮の遊魂卦は天水訟、震宮の遊魂卦は沢風大過等、いずれも卦象を構成する内卦は本宮の八卦と相反する八卦となる。その他の卦は以下の図を参照せられたい

皈魂(帰魂) の卦は既に他の宮に遊び行きた精神が元の本宮に戻る意味である。

乾宮の遊魂卦は火天大有、兌宮の遊魂卦は雷沢帰妹、離宮の遊魂卦は天火同人等、いずれも卦象を構成する内卦は本宮の八卦と同じ八卦となる。その他の卦は以下の図を参照せられたい

およそ遊魂卦は心落ち着かず、旅行や出行の意味がある。従って婚姻を占うに遊魂卦を得れば家内は落ち着かず、離別離婚に至る暗示がある。

また雇用や使用人の事を占って遊魂卦を得るような時は、この卦を以て世爻を冲剋することがある時は、辞めてしまったり逃亡してしまうことがあると断じるのである。

身命を占って遊魂卦を得るような時は、生涯の内に出行や転勤等住居の移転が多いか、その住居は借地借家であると断じるのである。

およそ、 皈魂(帰魂) の卦は 、本宮に復帰するという意味にとったり、家に戻り帰るのような意味としてとらえる。行人の安否や行方不明者を占うに 皈魂(帰魂) 卦を得れば、その人は帰路の途中にあるか、家に帰ろうという意思を持っていると断じるのである。、婚姻や雇用、使用人を占って 皈魂(帰魂) 卦を得て、六爻が静爻の不変卦を得るような時は、婦人であれば家を良く守り、雇用者であれば長く勤めあげると断じるのである。

皈魂(帰魂) の 卦が遊魂の卦に変化する時、あるいは遊魂の卦が 皈魂(帰魂) の 卦に変化する時はいずれもこれまで述べてきた例を参考に類推する。(※1)

(※1)
遊魂、帰魂共に吉凶を断じるに主たる判断基準としないが、その事象や結果に至る帰結を類推するには有益である。
本論とは別に、帰魂卦、遊魂卦を判断するに、納甲表より得卦を探すことの一助となるので、その判断法をいかに記す。

(遊魂卦・帰魂卦を判断する法)
出した卦の五爻を陰爻(- -)ならば陽爻(—)に、陽爻(—)ならば陰爻(- -)に反転させる
この時、上卦、下卦とも同じ形(首卦)になる場合は、その首卦の「帰魂卦」であり、上卦(外卦)下卦(内卦)の八卦が相反する八卦となれば「遊魂卦」である。

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