桜田虎門「五行易指南」現代語訳 121

○婚姻 爻の陰陽
男性が占って世爻が陽爻で妻財爻(※)が陰爻(- -)、女性が占って世爻が陰爻(- -)、世爻官鬼爻が陽爻であることを吉とする。一方でこれが逆になる場合は凶とする。(※易照注・原文“応陰”であるが、以下の解説では妻財、官鬼爻の陰陽を問うているので妻財に改めた。)
男性の占いで世爻が陽爻、妻財が陰爻(- -)、女性の占いで世爻が陰爻(- -)官鬼が陽爻(—)はを得た場合は吉。この反対は凶(※易照注・前項と同じ内容の繰り返し)
男性の占で世爻(※)が陰爻(- -)、応爻や妻財が陽爻(—)を得るは良くないが、婿入りの占であれば吉とする。(※易照注・一部改訳。原文“世爻用神陰爻に属し”とあるが、男命で用神は妻財となるところ、以下の下り原文“応爻妻財陽爻属するは”と続くので虎門の錯誤であろう。)
男性の占いで世爻が官鬼を帯び、この時応爻が妻財を帯びるのは吉である。もしこれとは逆で世爻が妻財で応爻が官鬼ならば、その妻が夫よりも強い立場で家庭に臨むので凶。ただし婿入りの占ならば吉とする。

占って世爻が発動して応爻を生合したり、応爻が発動して世爻を生合する象は仲睦まじいおしどり夫婦の象である。これは世爻が用神を生合したり、用神から世爻が生合される場合も同様に解釈する。ただし発動して回頭の剋となったり空亡に化すとなる場合は、後に夫婦反目する象である。
応爻が静爻であっても世爻と合の関係となる象は、その婚姻が成立するという吉象である。
応爻発動して回頭の剋や空亡に化したり、冲散する場合はその婚礼は成立しない。
世爻と応爻が相生の関係である場合は吉。但しどちらかが日辰や動爻に剋を受ける場合はその縁談に物言いが付いたり、邪魔が入って成立しない。世爻と応爻が冲の関係となるのも婚姻占では凶とするが、世爻と応爻を日辰が生じたり合するときは、間を取り持つ人が現れてその婚姻は成立する。

その取り持つ人、あるいは邪魔立てする人がどのような人物かを類推する時は、発動爻の五類、日辰が帯びる五類を以て推断すると良いだろう。
例えば日辰帯類が父母ならば両親や親せきの叔父や叔母等の類である。爻の発動であれば、外卦ならば自分の知らない他人であるといったように類推せよ。
世爻と応爻が比和の関係で、その時日辰が世爻か応爻に合したり、あるいは世応間の間爻が発動して世爻か応爻に合するならば、その婚姻は仲人の働きかけで成立する婚姻である。
世爻と応爻が合、あるいは比和の関係で、その上官鬼、妻財が本卦本爻に現れている時は、男女ともに幼馴染のような昔から知己のある関係である。
世爻と応爻が合の関係でない場合は、知己ある関係ではあったが久しく会う機会の無かった二人である。
世爻、応爻ともに空亡するときは双方に結婚の意志が無い。或いは当人たちの意志とは別に進められている縁談である。
世爻が旺相して衰弱の言う爻を剋する時は、自家の富貴栄誉を望むような政略結婚である。
官鬼が発動して世爻を剋する時は、当人はその婚姻を望んでいないだけでなく、その縁談が何か禍根を残す場合がある。
応爻が父母を帯びて空亡する、あるいは応爻が空亡している時父母が伏神する象を得たら、その結婚を司る人が居ない。もしこの時妻財に卦身が付くときは、夫人となる女性が自らそれを司る象と見る
妻財が世爻を生合する場合は、新婦の持参金が多い様子。さらに妻財が日辰や子孫爻の発動からの生を受ける時は、実家から化粧料の手当てが有ろう。妻財が勾陳を帯びる時は田畑土地が持参金の代わりである。

(結婚を占って応爻が相手の実家であるが)応爻が旺相する場合は、相手の実家が裕福である。休囚、衰弱爻は相手の実家は貧しい。応爻が旺相しているにもかかわらず妻財が休囚する場合は、相手の実家は裕福であるものの、その婦人の容姿は美しくない

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