「五行易」のルールを超えた占断法

五行易占例
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「五行易」のルールを超えた占断法

実際の鑑定では、既存のルールを超えた鑑定を行う場合があります。

こちらの占例は、今の仕事を辞めて起業することの吉凶を断じた占例です。但し、まだ具体的な行動を起こしてはおらず仕事も続けています。

ただし新しいフィールドで活躍、起業を考えておりそのため、仕事を辞めてから一定期間スクールに通い、スキルUP を考えています。

仕事なので用神は「官鬼」です。

二爻の辰(土)、四爻の丑(土)と両現しました。既存のセオリーであるならば、用神は動爻が優先です。従って発動する二爻が用神となって、この爻を中心に吉凶を占断するのですが、二爻は日辰辰日と同じ地支で日併。発動して回頭の剋は「日辰変壊」という現象で大凶の卦となります。

したがって占断は「凶・転職は不可」…では不正解です。

なぜなら、相談者はまだ仕事を辞めておらず、新しい事へのチャレンジについても具体的行動を着手していないからです。

むしろ、日辰変壊する官鬼は、今の仕事を止めるという考えを表します。

相談者である世爻が原神を帯びます。月建の未から合を受ける「月合」で強い爻です。従って、新しい分野での起業に高いモチベーション、意欲を持っています。

易の時系列は下から上、つまり初爻から上爻に時が移ると見るのがセオリーですから、二爻の日辰変化は仕事を辞めて、自己修養を図った後に四爻に至って起業する…

このように見立てると、用神は二爻ではなく、四爻の丑(土)となります。

官鬼を帯びる月建の未(土)から冲を受ける月破ですが、これ起業という道を選択する場合、今の仕事は辞めなければならないという状況を表します。

上爻の応爻、父母が発動しています。父母は「学び、学校」の象意があり、用神は丑(土)で「巳酉丑金局三合」の三合墓にあたり、実際に起業という形になると、四爻は静爻ですが発動すると考えます。墓爻は動くと三合旺の地支を取り込むという性質がありますから、起業に当りスクールに通った知識を活かして起業する…という行動を表します。

一方で、用神は世爻のすぐ隣に現れていますから、これは起業にあたってのプロセスは相談者の中で明確になっています。

往々に、夢や期待先行となると、世爻と官鬼は離れて現れる傾向にありますから、この相談者の場合は、実現までには時間がかかったとしても、その間に準備すべきこと、やるべきことなどの計画が明確で、実際に起業へと行動に移す際の青写真が明確となっていると断じます。

但し上爻の父母は日辰から合されて、合住となりますからスクールに通うないし、自己修養は一年ではなく複数年にまたがりそうです。

実際に起業独立となるのは早くても2年後、起動に乗るのは5から6年後となるでしょう。

ルールを超えた占断

このように、実際の鑑定では、ルールやセオリーを超えた占断を下すことがしばしばです。

例えば、子孫の世爻が発動して父母に化す。これは回頭の剋という現象となるので世爻にとっては不利です。

しかし、これが「学び」ということを主眼に置いた立占ならば、回頭の剋という吉凶よりも。、未来を表す卦の世爻の位置に父母が付いたことは、「良い師匠との出会い」「スキル、知識の習得」のように解釈することもあります。

最終的には吉凶を断じるのですが、「吉です。良かったですね」「凶です。あきらめましょう」では、鑑定士としては失格です。

吉凶とは別に、いかにして相談者のお背中を押すアドバイスができるか?そこに想いを致すと、セオリーやルールにとどまっていたのでは、正しいアドバイスを送ることはできません。「凶を吉」と伝えることはタブーですが、例え凶でも鑑定結果を聞いてお帰りになる相談者のお背中が、少しでも伸びてお帰りになれるよう日々修行中です。

そしてこの分野は、いかにAIが発達しても絶対にまねることの出来ない分野です。

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