桜田虎門「五行易指南」現代語訳 122

○婚姻 父母爻の解釈
婚姻を占って父母爻が発動する時は結婚相手は子どもや、親類の甥や姪との仲が悪い

占って父母が旺相発動する時に、子孫爻が日辰に墓絶するときは、結婚後子どもが得られない
世爻が父母を帯びる時も結婚後子どもが得られない形である
父母爻が旺相発動する時に、
子孫爻が空亡する時はかえって子どもが生まれる象である。ただし子孫が帯びる年支が巡ってくる時に子どもが夭折することがある
父母が発動し、妻財爻と合する象を得た時は、舅がその嫁と不義密通をはかることがある
父母爻が両現してともに発動する時は、新郎新婦の実家が共に縁談に前向きか、当人同士ではなく家同士で縁談を進めている様子である
父母爻が官鬼に化し、官鬼爻が父母に化す、あるいは父母爻官鬼爻が共に発動する場合は、縁談をめぐって両家が争うような事態が発生することがある
父母爻が日辰に合されたり、あるいは日辰が父母を帯びる時は、婚礼の日が調う象である。
○婚姻 兄弟爻の解釈
婚姻を占って、兄弟爻の発動は、夫婦仲にいさかいが多い。もし兄弟爻が月併したり日併するときは夫婦不仲にとどまらず、何か刃傷沙汰に至ることがある
兄弟が発動して朱雀を帯びる時は、夫婦間で口舌の災いが多い
兄弟が発動して玄武や螣蛇を付帯し世爻を刑、あるいは冲する時は不倫関係を疑う。逆にその兄弟が世爻や応爻を生じたり合する時は、婚礼に関わる費用がかさむ時である
○婚姻 間爻の解釈
間爻を仲人とする。間爻が世爻を生合の関係であるときは、自家に親しい間柄の仲人とする。応爻に生合のかんけいであるときは相手の実家に親しい間柄である。世爻と応爻を生合の関係にある場合は両家にとって親しい間柄である。この時間爻が旺相発動するならばその仲人と昵懇となったのは最近であり、休囚する場合は昔からのご縁である。生合する地支が本卦本爻にあるときはその仲人は親族であり、之卦にある場合は他者である。(※易照注・原文“本宮にあるときは親族とし他宮にあるは他人”とあるが意味が通らない。従って上記のように訳した。現代の五行易においては之卦にある地支が本卦本爻に生合の作用を及ぼすとは考えない。ただし情はあると考えるので、上記の訳出とした)
間爻が陽ならば仲人は男性であり、陰ならば女性である。
発動したり、衰弱の間爻ならば老人、静爻で旺相の間爻ならば若い人物である
間爻が静爻で世爻か応爻が発動してこれを冲する場合(※)、日辰に冲されて暗動する、或いは日併する場合は、その仲人は縁談を取り持つ意思はなかったところを世爻あるいは応爻或いは日辰帯類の五類の人物から頼まれて仲を取り持つのである。(※易照注・原文“世爻か応爻に冲起せられ又は合起せられ”とあるが、現代「五行易」において発動爻から合され合起するという概念はないので、合起は省いた)
世爻・応爻が相冲の関係、あるいは相剋の関係の時、間爻が世爻か応爻を生合の関係にあり、この時世爻か応爻が発動するならば、その縁談は仲人の力によって成立するのである(※易照注・原文“間爻より生合して世を動かし、応を動かすは”とあるが、発動爻が静爻を動かすという概念はないので改訳した)
間爻の二爻が共に発動する場合は、両家それぞれに仲人がいる。あるいはこの時二爻が共に官鬼に変ずる場合は縁談をめぐって争い事が起きることがある。発動爻の旺衰、或いはこれを制する忌神の有無からその争いごとの大小を類推する。
間爻が応爻から冲されたり剋される場合は、相手の実家が仲人を信頼していない、応爻が間爻を生じたり合する場合は相手の実家は仲人に全幅の信頼を抱いている
間爻が日辰や動爻から剋や冲を受ける場合、特に官鬼や妻財から剋冲を受ける場合は、縁ん弾をめぐって仲人が恨まれたり非難されることがある。世爻からの剋冲ならばそれは自家が仲人を非難し、応爻ならば相手実家である。(※易照注・原文は世爻を男家、応爻を女家とするが自家、他家に改めた)
世爻、応爻が日併したりあるいは子孫や妻財を帯びて間爻を生合する関係にあるときは、縁談成立に対して謝礼がある。この時世爻か応爻が旺相するならばその謝礼は多く、休囚ならば少ない。(※易照注・原文以下“世旺は男家多く応旺は女家多し”と続くがここまで読み進めれば無用の解釈として省いた)

間爻が螣蛇、朱雀を帯び兄弟を帯びる場合は、仲人は数々の縁談をまとめてきた実績がある人とすることがある
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