味のある得卦
先日のご相談。女性の方で、交際相手と喧嘩をしてしまったとのこと。その復縁の可能性、相性を見ると言う占断です。
本卦「水地比」、之卦「雷風恒」を得ました。
得卦、現況を表す本卦には「仲の良い二人がベンチに腰掛ける」と言う意味のある「水地比」を得ました。
脳裏に浮かんだメッセージは「雨降って地固まる」
「これまでも結構喧嘩を繰り返して来たでしょう？」
験有り。お相手との喧嘩はこれまでも幾度となく起きてしまったそうです。
未来を表す卦はズバリ「結婚」を表す卦。結婚とまでは行かなくても、仲の良い状態が末長く続きそうな得卦です。
勿論このままではお相手の氣持ちも分かりませんから納甲して心理状態を探ります。
世爻と相手男性を表す官鬼が重なります。
喧嘩をした…別れるかも…と心配する相談者の心理とは裏腹に、五行易はまだお付き合いしている…という情報を示します。
ただし、内卦は反吟現象です。反吟には“繰り返し”の意味がありますから、これまでも幾度となく喧嘩が発生しています。
世爻及び用神は、日辰に対し「害」です。だから口喧嘩が起こります。
内卦の反吟は回頭剋を伴う「真反吟」ですから、今回の喧嘩はちょっと重く、相談者が落ち込んでいます。
セオリーで断じるならば、用神回頭剋、真反吟で凶。別れを暗示させますが、本卦「水地比」之卦の「雷風恒」の得卦と著しく乖離します。
また内卦は現況であり、相談者自身の反吟現象です。
外卦が真反吟ならば、それは交際相手の反吟であり、未来の喧嘩から深刻な決裂を想起させます。
しかし内卦の反吟は相談者自身の反吟現象と考えれば修復の余地有りと断じます。
その証拠に応爻は妻財。妻財は男性から見た女性。相手男性はまだ相談者を交際相手と思っています。ただし空亡するので、今はそのお気持ちがやや希薄。
ただし之卦には戌（土）があり、これが世爻と合の関係となるからお相手にも歩み寄り、機嫌を直してやり直したい思いがあると断じます。
五行易のセオリーから外れた占断ですが、周易で示された答えに易神の情を感じた得卦です。
吉凶をそのまま伝えることだけが、鑑定士の使命ではない。なぜならば時として吉凶の占断が、相談者のその後の判断や行動を束縛してしまうことが有るからです。
可能性をつぶしてしまったり、相談者が委縮するような断を下すのではなく、如何に相談者に寄り添うか、あるいはそのお背中を押すことができるか?
それを念頭に鑑定相談に臨む日々です。
コメント