暦からの作用(1)

日盤活断法
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 「五行易」では、「占日」(占った日)の月日が帯びる地支、その地支が帯びる五行からの影響を重視します。暦からの作用は主に「生、剋、冲、合」に「空亡」を加えた五種です。

当サイトの方位予報は、日盤の地支にも同様の暦の作用があると考え、ここでは主に月建(月)、日辰(日)と空亡の三項目に分けて暦の作用について解説してゆきます。

月建(月)からの作用

「月破」の作用

 月建は月からの作用です。月建からの作用で注目すべきは「月合」と「月破」の二種で「生と剋」は日盤ではほとんど考慮しなくても差し支えありません。「月破」と「月合」、五行易ではどちらも重視しますが、当サイト主は日盤への作用は限定的と考えます。特に「月破」の作用を、日盤において考慮した場合、当月間一定方向(例えば卯月であれば西方酉の方位が「月破」となります)、これを凶方位として規定することで、日常生活において一ケ月の間、特定方位を犯さないように生活する…ということはあまりに非現実的であるからです。

 尚、「月破」、後述する「月合」とは12支の支冲、支合の関係より割り出してゆきます。もし月が子月であれば「支冲」の関係にある「午(火)=月破」となり、「丑(土)=月合」となります。

 

 もちろん「月破」の作用が皆無であるとは言い切れませんが、月破方位に長期にわたって旅行する、あるいは転居などの長期にわたる滞在や移転といった非日常的な行為、行動でなければさほど意識する必要は無いでしょう。

 それでも日盤に「月破」の表示を残したのは、月に最低でも二日は「月破」と「破=日破」が重なりますし、その他の凶煞(きょうさつ)重なった場合の影響は否定できないからです。「月破」(場合によっては年の破「歳破」)は、即効性の凶意はありませんが、後になってジワジワと運氣を犯してきますので、単体での凶意は少なくとも、他の「暗剣殺」「五黄殺」「破」や、凶門が旺相する方位に重なるときは注意しなければなりません。

  このことは「月合」に対しても同じことが言え、「月合=吉方位」ととらえるのはあまりに短絡的です。「月破」も「月合」もいわば「補助推進剤」のような役目で、吉方位に「月合」(凶方位に「月破」)が付けばより吉意(凶意)が増しますが、単体で存在してもほとんど影響を及ぼさない、とお考え下さい。

「月合」の作用

 「月破」に対し「月合」は吉凶で判断すれば、どちらかといえば吉で判断します。しかし、先述した通り、単体での作用はほとんどなく、他の吉門や吉星に同調する位の感覚で十分です。

 ただし「月破」と異なり「月合」の場合は少し複雑で、後述する「日辰から冲」を受ける場合に影響が出てきます。このことは「日辰(日)からの作用」の項目で解説します。

 「月合」を“どちらかといえば吉”と表現したのには、「五行易」において月日から合を受けることは「必ずしも良い」ことばかりではないからです。むしろ合を受けることは月日に邪魔をされる、行動を制約される…と取ることがあり、単純に吉と取ることは難しいのです。ただし、合を帯びる地支の影響力は強くなりますので、これを方位として利用するのであれば、通常の方位取りよりも作用は大きくなります。

月建における「空亡」について

 日盤で使用する暦は「干支暦」と呼ばれる暦で、「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」の「十干」と12支の組み合わせで暦を刻んでゆきます。これを「甲子」「乙丑」…「壬申」「癸酉」と順に刻んでゆくと、十干に対し12支中二つの地支が余ることになります。「甲子」で始まる循環では「戌」と「亥」が天干に対し余ることになり、「甲子」から始まる10日間では「戌亥空亡」となります。「空亡」についても単体で“凶”と取るのではなく、宮に巡る吉門、凶門の作用、その他凶煞の有無などを考慮して判断してゆきます。

 日盤では、日辰の空亡のみ採用しております。月建における空亡も月に天干をあてはめ割りだせば確認できますが、その作用は日盤を使用する限りにおいては無視してしまって差し支えありません。もしこれが一生の運勢、年や月の運勢といった長期に及ぶ判断を下したいときには考慮する場合もありますが、日常生活において月の空亡は意識する必要はありません、これは「五行易」でも言えることです。

日辰(日)からの作用

 「五行易」では月よりも日の作用を重く見ます。これは占術に採用している「干支暦」に起因するもので、年や月は太陽をめぐる地球の公転に根拠を求めるに対し、日や時間は地球の自転にその根拠を求めているからです。地上で生活する我々において、日々実感するのは一年十年といった時代の流れや、四季の移り変わりよりも、朝や夕、昼や夜といった時の流れの方が生理的にも重要な関心事であるために、日にちの作用を重視した「五行易」の暦からの作用の法則性には説得力があります。

 日盤も、同様に日辰からの作用を重視します。日辰からの作用は「生・剋・冲・合」と「空亡」となります。

日辰からの「生」の作用

 「日辰からの生」を受ける…とは、方位地支の帯びる五行が、日辰の帯びる五行より生じられる関係を言います。

上記日盤では、方位地支卯(木)が日辰の亥(水)より水・生木の生を受けています。この関係を「日辰から生を受ける」といいます。ここで、誤解をしないでいただきたいことは「生剋」=「吉凶」ではないということです。日辰から生を受ける作用は、方位地支にはプラスに作用しますが、あくまで吉凶の判断は宮に回座する八門と氣學の凶煞の有無から判断するべきで、方位地支が日辰から生を受ける方位が吉運氣が増す方位とは限りません。

 上の日盤は、方位地支の申(金)が日辰の丑(土)より生を受けています。しかし坤宮(土)には凶門の杜門(木)、氣學凶煞の「五黄殺」を帯び、坤宮方位(南西)は凶方位です。このような場合の日辰からの作用はどう判断すべきでしょう?

 ここで、日辰の五行が帯びる「五類」に注目します。この日盤では中宮は八白土星で五行は「土」です。従って丑(土)で同じ五行を日辰は帯びますので、配当される五類は「兄弟」となります。

⇊「五類」についてはこちらをご覧ください⇊

「六親五類」とは
「六親五類」とは、四柱推命に由来する考え方で、自分を中心に自身に大きく影響を及ぼすであろう近しい肉親を差します。ここではこの六進五類について「五行易」での象意を解説します

 さて、日辰から生じられる方位地支申(金)は土・生金の関係から「子孫」を帯びます。宮は杜門(木)が回座、氣學凶煞の「五黄殺」を帯びることから凶方位と判断しますので、この場合の申(金)が帯びる「子孫」は悪い意味で取ります。日辰は「兄弟」を帯びますので、兄弟は友人、知人、親類等、子孫は油断、甘え…と解釈すると、“南西方面の友人や親せき、あるいは知人からの誘いに乗る(生を受ける)と、油断や甘えから痛い目を見る…”という解釈が成り立ちます。あるいは「兄弟」は破財の星ですから、“南西方面から「借財の申し入れ」があるが「子孫=甘い」で断れず、損をする”…と解釈することも可能です。

 逆にこの関係で宮が吉門を帯びるような時であれば、“「兄弟=友人」からの誘いに乗ってお出かけすると「子孫=楽しい」楽しく過ごせる”…であったり、“「兄弟=トラブル、支障事」は、ほどなく「子孫=希望、順調」を得て解決する”…という解釈も成り立ちます。

暦からの作用②
暦からの作用は、五行易同様に月よりも日にちの作用を重視します。生剋はもちろん、合冲も月以上にその解釈は細かくなります
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コメント

  1. […] […]

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