「六親五類」とは

日盤活断法
「東占房」独自の日盤を使った方位事象や、日運の推断法、日盤の活用法を解説します
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 日盤で登場する「六親五類」について解説します

「六親五類」という考え方

 「六親」とは四柱推命の考えより、自分に近い、自分に影響を及ぼす家族の構成を「父母、兄(姉)弟(妹)、夫婦、子ども」と「自分」の六種類に分類したものです。それでは「五類」とはとは何か?これは自分を中心に見た時に、家族を「自分を生み育ててくれる存在(父母)」「自分が生み育てる存在(子孫)」「自分と並び立つ存在(兄弟)」「自分が支配、使役する存在(妻財)」「自分を支配、使役する存在(官鬼)」の五つに分類することができます。これを五行同様にに当てはめると以下のような相関関係となります。

 図のように、「五類」の相関関係は木、火、土、金、水の「五行」の相関関係と全く同じであることがわかります。

 

「五行易」では、出した卦の爻に割り振った十二支の五行に応じ「五類」をあてはめ、その相関関係から事象を類推してゆきます。

 それでは「五類」とはどのような意味合いをもつのでしょうか?

 尚、「六親」も「五類」も分類方法が異なるだけで意味合いは同じです。ここでは混乱を避けるため以下「五類」で統一いたします

「五類」の持つ象意

「父母」の持つ象意

 「父母」は自分を生み育ててくれる存在です。そこから文字通り「両親」を意味するのですがそこからこの概念を広げて解釈していきます。

 両親にはその親を育ててくれた親がいるので自分から見た時の「祖父母」、さらにそこからさかのぼって「祖先」。これを家族関係ではなく、組織と見立てると「地域社会」「会社」「国家」と類推の幅がを広がります。

 あるいは親は自分を「保護」し「守って」くれる存在です。そこから雨露から自分を保護してくれる「雨具」を類推したり。雨露をしのぐ「家屋」へと類推を広げていきます。雨露だけでなく寒さをしのぐ「衣服」も父母は象徴します。ここから体を「覆う物」と類推を広げ、自動車、列車などの「乗り物」、乗り物に乗ってっ得に出かけることより「旅行」も父母に分類されます。

 また、成長する過程で親からしつけや教育を受けます。そこから「教師・先生」、ここから広げて「学校」、また教えは人からだけでなく「本」からも受けますので、「書籍、教科書、文書」、現代はペーパーレス、ネット社会ですからコンピューター、パソコン、インターネットも父母に分類されます。また「通信」も父母に分類され、そこから電話やメールといったコミュニケーションツールも父母となります。

 一方で「父母」を精神状態、心情に置き換えると、自分を生み育ててくれた両親が年老い、体が弱くなってくると心配します。そこから「悩み」「疲労」「ストレス」と類推してゆきます。

 お天氣では、雨は植物を育み成長を促すことから「雨」が充てられています

 

「兄弟」の持つ象意

 「兄弟」は自分自身を含む「五類」ですが、文字通り兄弟姉妹、そこから広げて叔父や叔母、従妹、甥などの親戚関係、また自分と対等な立場にある友人も「兄弟」に充てられます。人間関係ではなく、事物に当てはめれば、商売ならば「支店」、業種であれば「同業者」です。一方で、兄弟間でも常に優劣、競争の種は尽きませんし、対等な立場は必ずしも良い関係だけを維持することは不可能です。時としてその関係は強力な(特に恋愛では)「ライバル」の存在にもなるため、「競争相手」「敵対者」とみたり自分と相手の間に立つ「第三者」としてみることもあります。またそこから「障害物」「支障事(トラブル)」と類推します。

 ライバルや敵対者の存在は自分を苛立たせたり、自分に負荷を与えてきます。従って「兄弟」は精神状態や心情で表すと、「イライラ」「プレッシャー」を表します。「父母」のも持つ「悩み」「心労」といった意味合いよりも、もう少し攻撃的、刺激性が強くなります。

 「兄弟」はこの後解説します「妻財」を剋(攻撃)する関係にあります。このことから「(財を破る)破財星」とも呼ばれ、ここから「出費」「請求」「支払い」「損」「不景気」「物価・コスト」等、金運面では余りよくない意味や事象を象徴します。ここから自分を損させる物事、人物へと広げ「詐欺(師)」「嘘」、またそれに遭遇した自分の心境を象徴して「焦り」「茫然自失」といった心境を表します。

 「兄弟」を自分自身のこととしてとらえると「自我」「独立心」あるいは「個性」「独特」といった意味合いも持ちます。ただしこれを悪い面でとらえると、自身の成長を阻害する「怠惰」という側面も表します。

 天候では雨の時に同時に存在するもの…といった意味合いから「雲」を連想させ、「曇天」あるいは雨天は悪天候ですから、風雨の「風」を象徴します

 

「子孫」の持つ象意

 「子孫」は自らより生じる物で、文字通り子どもの意味合いを持ち、広げれば自分より年下、自分より立場が下の存在「部下」も子孫に分類されます。(少し境界があいまいですが、雇用者、使用人の関係意味合いが強くなると「子孫」ではなく「妻財」で見た方がよい場合もあります) また、そこから広げて師弟関係であれば「弟子」「後継者」です。

 子宝ともいわれる通り、出産は一家にとり慶事です。そこで「喜ばしいこと」「ラッキー」「幸運」

またこの後解説する災いの星「官鬼」を剋(攻撃)する関係にあり、そこから「福の神」「喜神」も象徴します。「官鬼」は病氣、怪我ともとりますのでこれを癒すことから「医療」「治療行為」「投薬」「医薬品」も意味し、さらに広げて「休息」「リラックス」といった意味も表します。また「癒し」という意味合いから「ペット」も子孫が象徴します。

 「官鬼」は霊障でもあるので、それを退散させる神仏より「僧侶・神職」「寺社仏閣」また祖先を祭る「法事」「祭礼」「神棚・仏壇(間)」も子孫が象徴します。

 子どもがかかわる行事は、総じてほほえましいことが多く、そこから類推して「楽しいこと」「催事」「イベント」「宴会」、また飲食は楽しい物ごとですから「飲食物」も象徴します。(「妻財」も食べること、食べる物を表します。「子孫」の持つ「食」は「飲む」という行為の象意が強いです)

 「子孫」は福の神ですから物事は「順調」に推移します。一方で悪い意味合いとしてはそこから生じる「油断」「隙」です。

 天候は待用を象徴し、「快晴」を表します

「妻財」の持つ象意

 「妻財」は自ら使うことで何か有益な事物を生じる…という意味合いがあります。文字通りとらえれば「妻」「奥さん」「家内」となりますが、対等な立場でとらえれば「彼女」「恋人(女性)」です。この辺り一見男性が女性を支配する「男尊女卑」の傾向が見えフェミニストから批判を受けそうですが、この「妻財」から「官鬼」が生じられる関係は、一見夫が妻を,家庭を支配しているように見える関係も、実は妻の内助の功あっての家庭、夫が外で活躍できるのも妻の後援があってこそ…という実に妙理ある関係となっています。

 自分が使う、自分が使うことで別の価値を創造する…といった意味合いから「家財道具」「商売道具」一切、人であれば「雇用者」「スタッフ」「従業員」です。

 「妻財」の財は、財産でもあり「妻財」は金運の星です。従って「お金」そのものから、クレジットカード、有価証券、貯金通帳、権利証、金銀財宝、アクセサリーなども「妻財」が象徴します。またそれらを収める宝石箱、金庫、蔵、倉庫、冷蔵庫、食糧庫も「妻財」となります。(印鑑は財産を左右する実印は「妻財」。認印は「父母」) 

 飲食では、主に「食べる」という行為を象徴し(「飲む」は子孫)、そこから類推して「食事」「食料」「調味料」「農産、海産物」「料理」、またそれを伴った催し物、お店を表します。

 天候は「晴天」です。子孫と異なり多少雲のある青空を意味します。

「官鬼」の持つ象意

 「官鬼」は災害の星。自らを拘束するという悪い意味を想起させる星です。男女関係では、「官鬼」は夫、彼氏表します。

 一方で権威の象徴、功名の星でもあり、社会でいう「肩書」を意味します。従って、会社であれば「社長」「所属長」「上司」、国家であれば「首相」「大臣」「長官」といった官位を表します。これを自身に置き換えれば、「仕事」「職業」であり官鬼は職業運、仕事運を表します。また自身の進路に影響を及ぼす星なので、「受験」「試験」も官鬼です。

 自分を拘束する(仕事もそうですが)という意味合いから「法律」を象徴し、そこから広げて官憲の「警察」「検察」「税務署」、さらに広げて公的な機関、「国会」「県庁」「役所」、金融も公的、法的な側面が強いので「銀行」も官鬼が象徴します。(司法の場では、法律は自身を保護するという意味合いから「父母」でとらえることもあります。裁判であれば自分に味方してくれる弁護士は「父母」。検察や相手方弁護士は「官鬼」となります)

 「官鬼」の鬼はまさに凶神ですから、そこから「犯罪」「犯人」また「刀剣」「銃火器」、そこから広げて「軍隊」「戦争」も官鬼が象徴します。また災害のほしですから地震や台風といった天災も官鬼が表します。身近なところでは、「喧嘩」「対立」「事故」「ケガや病氣」を意味し、「父母」の意味する「ストレス」「悩み」といった意味に近いですが、父母のそれよりもっと深刻な意味合いを持ちます。

 その他、霊障、心霊、お化け、怪異現象といった意味合いも持ちますがこれらは日常で使うことはまれでしょう。

 お天氣は「霧」(怪異現象を想起?)や「暴風暴雨」の荒天を象徴します。

 以上が「五類」の象徴する主な事象になります。一部重複する部分もありますが、迷った場合「究極的にみてどの五類の分野に落ち着くか」を突き詰めて考えた先が答えとなります。例えば「五輪(オリンピック)」であれば、イベントなので「子孫」ともとれますし、選手が功名を競う「官鬼」という意味合いもあります。突き詰めて考えた時、自分がその「五輪」にどのように相対するのかを考え、選手として参加、あるいは応援する選手が金メダルを取るのか?…ということを主体にするのであれば「官鬼」を中心に、一観客として、観戦を楽しむのであれば「子孫」を中心に据えて考えてゆきます。

 

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  1. […] […]

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