易経「繋辞下伝」を読み解く20

易経繋辞伝
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易経「繋辞下伝」読み解く19
繋辞下伝を読み解く 第5章4節

易経「繋辞下伝」を読み解く20

易に曰く、公もって隼(はやぶさ)を高(こう)ようの上に射る、これを獲て利ろしからざるなし、と。子曰く、隼とは禽(えもの)なり。弓矢とは器なり。これを射るは人なり。君子は器を身に蔵(かく)し、時を待ちて動く。何の不利かこれあらん。動きて括(むす)ぼれず、ここをもって出でて獲ることあり。器を成して動く者を語(い)うなり。(繋辞下伝第5章第5節)
「 易に曰く、公もって隼(はやぶさ)を高(こう)ようの上に射る、これを獲て利ろしからざるなし、と。子曰く、隼とは禽(えもの)なり。弓矢とは器なり。これを射るは人なり。君子は器を身に蔵(かく)し、時を待ちて動く。何の不利かこれあらん。動きて括(むす)ぼれず、ここをもって出でて獲ることあり。器を成して動く者を語(い)うなり。 」

「雷水解の上爻の爻辞に“公が高い城壁の上から隼を射落とす。不利なことは何も無い”とはどういうことを見するのか?」

私(孔子)はこう思う、

「隼は獲物である。弓矢とは道具である。弓矢を使って獲物を射るのは人間である。君子はその才器を包み隠すように蔵し、ここぞという時にそれを発するのである。何の不利益が生じるであろうか?このように、君子はその時にその時に応じて的確に行動に移すから必ず結果を得られるのである。この爻の爻辞は、変化の兆しをとらえ、そのための準備を怠りなく調え、時を待ってから行動に移す様子を言い表すのである」

前節を承けて、易経に通達する君子であるならば、予め易経の摂理よりその時その時の至前の兆しに氣付き、そのために準備を怠りなく調えるから、いざ行動に移しても何ら滞ることなくすらすらと物事を成就させると孔子は解説します。

獲物を刈る狩人が、獲物が油断して飛び立つのを待つように時を待つ一方、矢が正確に獲物を射抜くように弓を整備し、矢じりの先を研ぐ。その様子を易経を活かす具体的な例えとして雷水解の上爻の爻辞を引用します。

ところで、この上爻の爻辞は何を例えた物か?

雷水解の卦は、下卦に険難を表す「坎」があり、上卦に振動を表す「震」が乗り、雪解けを表します。

下卦の坎に、三爻から五爻で互体として坎を取れば「坎為水」という、前節の沢水困に並ぶ四難卦を得ます。上爻は独りその困難から離れたところに身を置き、予め準備を怠ることなく困難な時を乗り切った君子であり、上卦の震(動)より弓を射る様子を表します。

三爻の陰爻(- -)が、その狙うべき獲物であり三爻を中心に二爻、四爻を合わせた「離」を、獲物が飛び立つ様子に例えます。

これが上爻の爻辞が意味する所であり、孔子はこれを引用して、「君子は易経の摂理に通達し、その兆しをとらえ準備を調えるから、行動するに何ら不利益を被ることなく、必ず好結果を得るのだ」と説きます。

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