易経「繋辞下伝」を読み解く45

易経繋辞伝
Pocket

易経「繋辞下伝」を読み解く45

「是の故に、変化云為(へんかうんい)、吉事には祥(しょう)あり。事を象(かたど)」りて器を知り、事を占いて来(らい)を知る」(繋辞下伝第12章第3節)
「是の故に、変化云為、吉事には祥あり。事を象りて器を知り、事を占いて来を知る」

「この故に、天地の間には陰と用途が交雑変化して、これが人道においては卦辞、爻辞ににあるように言葉となって現れる。


その流れが吉であれば、物事が生じるような予兆が兆しとなって現れ、凶の時においては、物事が衰え再生されていく予兆が現れていくのである。


易の卦象は、自然現象やこの自然界に存在するあらゆる事物をかたどっているから、これをもとに様々な道具の発明や作成することが出来、これをもとに占えばまだ発生していない未来の事象を知ることが出来るのである」

易経を活かすということ

伏羲が考案し、幾星霜という時を経ても尚、色あせることの無い“易経”。
伏羲後も、堯、舜、禹、湯の歴代の賢人、聖人がその節理を受け継ぎ、またその節理を活かして様々な発明と、文明発展に寄与してきました。

そのさまざまな発明にあたっては、繋辞下伝の第2章で孔子が詳らかに解説をしているところです。

また、易経の根底には「万物流転、生成化育」という一環として変わらない(不易)、至極単純明快な(易簡)の流れがあるから、易経の卦象に想いを致せば、予めその変化の予兆を知ることが出来るのだと孔子は説きます。

だから例えその流れが凶の流れにあっても、それを憂える必要は無いし、一方で生成発展の吉の流れにおいては、やがてはその吉が凶に転じることを憂えなければならないと、これを戒めます。

しかし、人間の営みの中でそれをはっきりと見出すことが出来ない時があります。
こと、凶の流れにおいては、その流れに本能的に抗ったり、一方で一刻も早く抜け出したいと願います。

そんな時、易占を以てこの先に待ち受ける変化の流れを指し示すことが出来ます。

実際の鑑定の中で改めて感じることは、ご相談に訪れる相談者の念にしっかりと易の卦象は答えます。

「五行易」においては本卦、之卦の二つの卦を立てますが、「五行易」の納甲を付して細部を読み解かなくても、本卦之卦の卦象を以て大きな流れを感じ取ることが出来ます。

繋辞下伝の読み時にあたり、すでに何度も触れてきたことは、易経を書物、言葉で読み解くのではなく、五感をもって感じ取る事。

易の卦象の形、その前後の卦象、卦象の中に含まれる八卦、互卦、綜卦、錯卦を通して、その内包する所の意味を既に起きた事象や現況に当てはめ、合致する所が多ければ多いほど、易経の卦象は言葉を語らずとも、実に多くの事を語りかけてきます

「五行易」講座開設のお知らせ
「五行易」入門講座開設のお知らせです
Pocket

コメント

タイトルとURLをコピーしました