易経「繋辞下伝」を読み解く14

易経繋辞伝
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易経「繋辞下伝」を読み解く14

易経「繋辞下伝」を読み解く13
繋辞下伝を読み解く 第2章13節
この故に易とは象なり。象とは像(しょう)なり。彖(たん)とは材なり。爻とは天下の動に効(なら)うものなり。この故に吉凶生じ悔吝(かいりん)著(あら)わるるなり。(繋辞下伝第3章)

この節は第2章で卦象の引用を承ける形で、その解説をまとめます。

「 この故に易とは象なり。象とは像(しょう)なり。彖(たん)とは材なり。爻とは天下の動に効(なら)うものなり。この故に吉凶生じ悔吝(かいりん)著(あら)わるるなり。 」

「(第2章の引用を承けて)以上の様に易経を以て人間社会は発展を遂げてきたのであるから、易というものは象(形)であり事物を表す象徴である。象は像として観念的な物だけではなく、具体的な事物をかたどるものでもある。また彖(卦辞)とは、その事物を言い表す材料や才能(能力)の様のものである。また爻とは物事の変化を表す物である。だから易の卦と爻において吉凶を表し、そこからその時に置いて“悔吝”と、取るべき行動を読み解くのである。」

卦象の徳を言い表す言葉に「彖」があり、この文字の本来の意味は「猪、猪子」です。

易は時系列的に初爻から上爻へ進み、また卦象においては乾為天から坤為地、そして64番目の火水未済を目指して進み、占断上、その占った事象の原因として卦や爻を遡って解釈することはありますが、物事の事象が上爻から初爻に戻ったり、坤為地から乾為天に戻るということは、時の流れを考慮するとあり得ないことです。

このことを象徴するに、「猪突猛進」のイメージで進み引くことを知らない例えから、易の卦辞を以て「彖」の字を充てます。

卦象全体を表す卦辞が猪全身を表すのであれば、爻はその牙です。

この解釈はすでに繋辞上伝の第3章で読み解いてきた所です。

易経「繋辞上伝」を読み解く4
繋辞上伝を読み解く第3章吉凶悔吝、凶を得た時、吉を得た時の身の処し方を説く

爻とは交差する意味。屋根の棟木を表す物ですが、猪の牙もまた交差します。イノシシが餌を食み口を開閉する様子を陽爻(—)、陰爻(- -)の変化となぞらえたと考え、孔子は爻を「天下の動に効(なら)う」と表現します。

「効」の意味は、習う、まねる、則るの意味であり、牙が猪の口の開閉に従って交差したり、一本に見えたりする様子を例えた物です。

これまでの引用で、事物の発明の根拠を易の卦象に求めている流れから解釈すれば、易の卦辞や爻辞を表すに「彖」「爻」字を充てたのは単に音が似ているからという意味以上に、易の性格や性質を端的に表す形、「猪」の象を以て「彖」「爻」の文字を充てるという解釈は、道、太極、陰陽といった観念的なものを表し、これを解説するに形而上的な存在を超越する過程として不可欠な例えであったのでしょう。

もとより猪の口はその体格に似合わず小さい。

イノシシは純粋な草食獣ではありませんが、その比率は9(植物):1(動物)でほぼ草食に近い生態系ですから、獲物に襲い掛かるような大きな口は必要としていません。

従ってその口の開閉も巨体の動からすれば極めて微細なものであるから、その変化のありさまもダイナミックな変化ではなく微細な変化、これを「悔吝」という微細な変化に例え、こうした変化を「兆し」として「察する」ことを促すのです。

易経は「読むものではなく、感じる所にその本質がある」と思う所以であります。

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