「天玄賦総論堤綱通解」現代語訳

「天玄賦総論提綱通解」現代語訳
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「天玄賦」は「五行易」の古典に必ず引用される入門書的な位置づけの解説書です。特に厄介な五類の分類について詳説を加えているので、改めて現代語訳に直してみたいと思います。なお原典は九鬼盛隆著「断易精蘊」より、また易照の解釈、注釈を追記します。

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  1. 「天玄賦総論堤綱通解」現代語訳
    1. 総論
      1. 「若し人卜を問はば、必ず動静吉凶に因る。学者占を推し浅深高低を識るを要す」
      2. 「秘旨人口に伝はると雖も奥妙は実に天然に出ずや。事に万殊有り。理に二致無し」
      3. 「須く静中に動あるを識る。吉する処凶を蔵するを当に明らかにす。静者は動の機なり。吉者は凶の本なり。如し卦静に逢はば、、専ら暗動及び空亡を尋ぬべし。若し爻の重交を見れば、便ち変化を察し吉凶を知るべし」
      4. 「諸爻並び吉なるも更に吉する処に凶蔵するを防ぐ。大象皆凶なるも須く凶中に吉有るを識るべし」
      5. 「若し乱動に逢はば、先ず用爻を見る。用爻に彼我の分有り。得失衰旺に従って而して決す」
      6. 「六爻上下吉凶全く日月も係る。一卦中主宰を問はば世応に非ざる莫し。生旺墓絶を細察し、剋害刑衝を精詳せば、吉凶此れに因りて而して生ず。禍福茲に従いて而して定まる」
      7. 「貴人禄馬に乗ずれば、縦へ吉慶に非ざるも凶無しなり。天喜青龍に会すれば、悲哀に遇うと雖も終に喜び有り。白虎動けば本と佳況無し。惟孕育反て吉神と作る」
      8. 「子孫興らば総て禎祥と曰ふ。如し名利を問はば偏に悪客と為なる。官鬼は世を持するに宜しからざるも、名を求むる嫁娶るは両ながら相宜し。妻財は最も身を扶くる喜ぶも、父母文書のみは偏に畏れ忌む。兄弟は破星と雖も用と為すには則ち凶と定めざるなり」
      9. 「玄武は陰私と失脱を兼ね、螣蛇は怪異虚驚に及び、朱雀は本と官を主る士官に在りては当に喜美を生ずべし。勺陳は職として田上を専らにす。行人は終に遅留を見る」
    2. 父母用論
      1. 「父母とは我生まる者、之を父母と謂ふなり。能く凶を為し能く吉を為す各用いる所有り。財に遇へば則ち本体を傷つく有り。鬼に遇へば則ち増長して光輝なり。発動せば則ち子孫を剋傷し、兄弟を生扶す。其の動静衰旺を審にせば各宜しき所有り」
      2. 「身命を占ふ。父母と為す動けば則ち子息を為し難し」
      3. 「婚姻を占ふ。婚を人と主るを為す、則ち必ず婚者を主る無く、及び時礼無し」
      4. 「産育を占ふ。動けば児を傷つくと為す。則ち子生育し難し」
      5. 「官職を占ふ。印綬文書と為す。旺相して貴人を帯びれば、功名必ず就く可し。空亡に墓絶を兼ねれば吏と雖も亦成り難し」
      6. 「訴訟を占ふ。状詞案験と為す。動けば則ち事意息み難し。若し我詞を興さば旺に宜し。他我を訴ふるには衰を要す。旺なれば則ち事大きく、衰なれば則ち事軽し。空亡無氣皆なり難し」
      7. 「失脱を占ふ。噬窩蔵と為す。発動すれば則ち賊已に隠匿して追求すべからず」
      8. 「求財を占ふ。発動すれば絶源悪煞と為す。只、一度は許すも再び求め難し一に難辛を主とす」
      9. 「出行を占ふ。行李と為す。旺相なれば多く休囚すれば少し、空亡なれば無し」
      10. 「行人を占ふ。書信と為す。吉神を帯ぶれば安書と為す。凶神加ふれば凶信と為す。発動して世を剋すれば必ず信の至る有り、空亡墓絶なれば沓として音書無し」
      11. 「家宅を占ふ。屋宇と為す旺相すれば深沈闊克なり。月日忌神を帯ぶれば乃ち新創整斉。無氣なれば乃ち窄狭低少。衝に逢へば必ず崩催破壊す。青龍を加ふるも、亦た是れ新屋なり。白虎を帯ぶれば必ず是れ旧居なり」
      12. 「国家を占ふ。城池と為す。氣有れば則ち城池堅固なり」
      13. 「征戦を占ふ。旌旗と為す。静に宜しく、動に宜しからず。動けば則ち必ず師を興す」
      14. 「疾病を占うふ。双親の用爻と為す。旺に宜しく空に宜しからず。空なれば則ち必ず危うし。子孫の占病は則ち悪煞と為し、静に宜しく動に宜しからず。動けば則ち必ず死に至る」

「天玄賦総論堤綱通解」現代語訳

総論

「若し人卜を問はば、必ず動静吉凶に因る。学者占を推し浅深高低を識るを要す」

何かを占って卦を立てれば、必ず爻に発動する動爻と変化の無い静爻が存在する。この爻の発動の有無に占った事の吉凶が現れるのである。ゆえに、占う目的に応じてまず用神を定め、月建、日辰および他動爻の用神に対する諸作用である「冲、合、破、空亡、伏神、生、剋、旺、衰」等から事の吉凶、成就、不成就、また物事の進捗度合などの情勢を察知するのである

「秘旨人口に伝はると雖も奥妙は実に天然に出ずや。事に万殊有り。理に二致無し」

易の法則の深淵なる秘法は、古来より数多くの偉大な先哲により教え伝えられてきたものであるが、其の根源は天地陰陽の活動、すなわち自然に基づく易の法則より生じるところである。

人の一生、また抱える悩み問題などは実に多種多様であるが、これらも全て皆一定の易の法則に基づいているのであり、易占をもってその法則に過たずこれを説き明かすならば、万事全てをこの法則で解明できるであろう。

「須く静中に動あるを識る。吉する処凶を蔵するを当に明らかにす。静者は動の機なり。吉者は凶の本なり。如し卦静に逢はば、、専ら暗動及び空亡を尋ぬべし。若し爻の重交を見れば、便ち変化を察し吉凶を知るべし」

凡そ、占って卦中に発動する爻のない不変の卦を得た時、卦中に日辰からの冲を受ける爻があればこれを「暗動」と呼び、動爻に似た働きをする。

もし占って大吉の卦を得たような時、暗動する爻が用神を剋するような場合、あるいは不変卦であっても用神が空亡する場合は、「吉する処凶を蔵する」というように、目に見えない内部に凶象を抱えていて、吉であるがあやうい…と判断できる。

また不変卦を得て忌神も静爻である場合も、占った時は静爻とは言え月日が忌神の値となる時には活動力を生じると判断する。これを「静者は動の機なり」という。また占時用神が、月建から生を受けているような目下旺相の爻も、時がたち、月建に休囚したり月破に逢うような時は、今は吉でも後に凶兆を孕むという判断を下すのである。

「重」は陽爻(—)の発動、「交」は陰爻(- -)の発動のことで、いずれも発動爻を指す。占ったことに対し、すでに変化が生じ始めているのであり、これが吉に化す回頭の生、あるいは凶に化す回頭の剋や伏吟などの作用を考慮すれば、その吉凶をおのずから察知することができるであろう。

「諸爻並び吉なるも更に吉する処に凶蔵するを防ぐ。大象皆凶なるも須く凶中に吉有るを識るべし」

用神が旺相している処に、原神が発動し用神を生じるような時はまさに大吉である。ただしこのような時もし用神が発動し回頭の剋となったり、さらに発動し化出の卦爻を日辰が生を与えたり比和するような場合はこれを「壊変」と称して、まさに吉する処に凶を蔵すという。

これに反し、卦象は凶であっても用神が回頭の生になるような吉象を得た時、「絶処逢生」に逢うような時は凶中に吉あるの象である。

※近代五行易では、化爻に対しての日辰の作用を判断することはありません。ただし、月破に化したり日辰の冲に化したり、合に化す、あるいは日併に化すなどの場合は、占事の重要な判断点を指すことが多いです。

「若し乱動に逢はば、先ず用爻を見る。用爻に彼我の分有り。得失衰旺に従って而して決す」

(交渉や商売、訴訟や勝負などを占って)占って出した卦中に三爻以上の発動する爻がある場合を「乱動」という。

「彼我の分」とは世爻と応爻のことで、世爻は我、応爻を彼とする。さて、乱動の卦の中、世爻を扶ける作用が大きいか、応爻を扶ける作用が大きいか、さらに世爻、応爻の旺衰の関係よりどちらに利があるか、その吉凶を断じるのである。

「六爻上下吉凶全く日月も係る。一卦中主宰を問はば世応に非ざる莫し。生旺墓絶を細察し、剋害刑衝を精詳せば、吉凶此れに因りて而して生ず。禍福茲に従いて而して定まる」

日辰、月建は六爻の主権者である。ゆえに日辰や月建の生を受けたり比和する爻は、旺相で卦中強力爻であり、これに反して日辰や月建より剋や破を受ければ、空亡、伏神に関わらずその凶を逃れることはできない。

得た卦の中で最も重要な爻は世爻、応爻でありどのようなことを占うにしても世爻、応爻に関わらないようなことはない。ゆえに「主宰」という。しかし自らのことを占うような自占でない場合は、特に五類をもって別に用神を定めるので、各々その関係する用神の日辰や月建からの生、比和あるいは冲、合、または日辰から長生、帝旺、墓、絶を細かく見れば吉凶禍福、皆ここより判断することができる。

「貴人禄馬に乗ずれば、縦へ吉慶に非ざるも凶無しなり。天喜青龍に会すれば、悲哀に遇うと雖も終に喜び有り。白虎動けば本と佳況無し。惟孕育反て吉神と作る」

「貴人」とは天乙貴人を指す。「禄」は「干禄」、「馬」は「駅馬」の各種神煞である。すべて吉神であり、相重なるような時は用神に他に大きな凶作用が無ければ絶対的な吉である…とは言えないまでも、凶であることはない。

「天喜(医)」、「青龍」も吉神で、併せ持つような時は大抵の悲哀は避けられよう。「白虎」は凶神で死や葬儀を司る凶煞であるが、出産を占うような時はすでに産氣付いていると断じるのである。

これらは全て神煞で吉凶に及ぼす作用があるが、「五行易」の吉凶判断の枢要は五行の生剋旺衰の関係から判断するのであり、神煞の有無に拘泥してはいけない。「天玄賦」は良書ではあるが、後世の俗説を加味して伝えているので、鵜呑みにしてはならない注意点はこのようなところにある。

…太字部分は九鬼先生の解釈

「子孫興らば総て禎祥と曰ふ。如し名利を問はば偏に悪客と為なる。官鬼は世を持するに宜しからざるも、名を求むる嫁娶るは両ながら相宜し。妻財は最も身を扶くる喜ぶも、父母文書のみは偏に畏れ忌む。兄弟は破星と雖も用と為すには則ち凶と定めざるなり」

この節は五類に吉凶両作用があることを表したものである。

子孫が用神に臨むような時は、諸々の占概ね吉象といえるが功名、就職、試験といったことを占う時は、用神となる官鬼を剋す忌神となる。

官鬼はもともと憂愁阻滞の凶星であるが、功名、就職、試験といったことを占う時はこれが用神となるので旺相を吉とし、また婿取りを占う際も官鬼が夫をさすので、世爻が官鬼を帯びるのはよろしく、旺相して傷がないことを喜ぶ。

妻財は財禄の吉星で、諸々の占いで世爻(あるいは卦身)と生合することを吉とする。ただし両親の事、文書の事等を占う際は用神となる父母を剋す忌神となるので、世爻や用神を剋すようなことを嫌うのである。

兄弟は破財の凶星であるが、もし兄弟や友人を占うような時は之を用神とするので、世爻がこれを帯びることを凶としないばかりか、旺相して剋傷がないことを吉とするのである。

「玄武は陰私と失脱を兼ね、螣蛇は怪異虚驚に及び、朱雀は本と官を主る士官に在りては当に喜美を生ずべし。勺陳は職として田上を専らにす。行人は終に遅留を見る」

玄武は淫欲色情の神であり、転じて失せ物等を表す。もし失せ物を占って官鬼に玄武が付帯するような時は、盗難を疑う。

螣蛇は怪異現象、あるいは虚報、驚報変事を司る星であり、朱雀は官事にかかわる星とする。ゆえに試験、就職、任官に用神に朱雀付帯するを吉とし一方で口舌の神とする。

勾陳は田土の神であるが、土を表す八卦の「艮」には「止」の象意があるので、待ち人を占って用神に勾陳が付帯するは遅刻、あるいは現れないという見方をすることがある。

次にあげる者は「天玄賦」中の五類の用を区別して論じたもので、「五行易」を志すものにとって、その性情を学ぶのに詳細を挙げているので適している。

諸々を占って用神と為さない場合においても、其の五類より事象を類推します。

父母用論

「父母とは我生まる者、之を父母と謂ふなり。能く凶を為し能く吉を為す各用いる所有り。財に遇へば則ち本体を傷つく有り。鬼に遇へば則ち増長して光輝なり。発動せば則ち子孫を剋傷し、兄弟を生扶す。其の動静衰旺を審にせば各宜しき所有り」

この節の「我」とは、得た卦象が帯びる五行を指す。

すなわち卦象が帯びる五行を生じるものが父母であり五類中の頭領である。しかも文教印綬の爻であり、学問、進学、師匠、文芸などを占う際は旺相は吉であるが、凶象として心労、苦労、悩みなどの凶象も併せ持つ。

また破財の星の「兄弟」の原神にあたるので「能く凶を為す」というのである。忌神にあたる妻財の発動があれば、その剋を受け、官鬼は父母の原神となるので発動あればその生を受け勢いが増し、もし父母爻が発動すれば子孫を剋し兄弟を生じる。政治のようなことを占っても、卦中父母が伏神するような時は、物事にしっかりとした方針や方向性がなく、その発動の有無、旺衰をつぶさに見てその働きや吉凶を判断するのである。

「身命を占ふ。父母と為す動けば則ち子息を為し難し」

その人の身命を占って、卦中の五類「父母」はその人の両親となして、その旺衰、発動の有無、日辰や月建の作用、他動爻の生剋などを見て、その両親父母の吉凶禍福を事象として判断する。もし発動すれば子孫を剋するので、その子どもに傷害があることを恐れるのである。

「婚姻を占ふ。婚を人と主るを為す、則ち必ず婚者を主る無く、及び時礼無し」

婚姻の占いにおいては、父母の爻を縁談を取りまとめる人とする。もし父母の爻が伏神しあるいは空亡するような場合は、多くは正式な手続きを踏まない婚姻を表す。

「産育を占ふ。動けば児を傷つくと為す。則ち子生育し難し」

産育の占いに在っては、父母は子孫を剋傷する忌神となるので、もし発動するようなことがあれば、その子は早逝したり育ちにくいのである。

「官職を占ふ。印綬文書と為す。旺相して貴人を帯びれば、功名必ず就く可し。空亡に墓絶を兼ねれば吏と雖も亦成り難し」

士官官職の占いに在っては、辞令、免許等の文書、試験においては答案とする。若し世爻に臨み、旺相して天乙貴人の神煞が付帯するならば、その人立身出世、高位高禄に進む。一方で空亡したり墓絶を伴うような場合は功名は為し難く、低位の官吏であっても合格は難しいであろう。

「訴訟を占ふ。状詞案験と為す。動けば則ち事意息み難し。若し我詞を興さば旺に宜し。他我を訴ふるには衰を要す。旺なれば則ち事大きく、衰なれば則ち事軽し。空亡無氣皆なり難し」

訴訟を占う際は、父母の爻をもって訴状,あるいは証拠、証文とする。

発動すればやむを得ず起訴に至る。もし自分が原告であるならば、世爻が父母御帯び旺相すれば訴えが認められ、被告であるときに応爻が父母を帯び休囚すれば、自分に有利である。訴訟の大小軽重などは、卦中の父母爻の旺衰をもって判断する。もし空亡したり月建や日辰の作用がなければ、訴訟に至らないかあったとしても事は軽い。

「失脱を占ふ。噬窩蔵と為す。発動すれば則ち賊已に隠匿して追求すべからず」

失物の占いには、物品としては衣服、文書、書籍等と為す。

品物奥底に埋もれ出てこないか、あるいは故意に隠匿されたものとする。もし発動して官鬼を帯びる爻から生や合を受けたり、父母爻が玄武を帯びるような時は盗難に遭ったものとして、捜し求めても行方が分かりにくい象とする。

「求財を占ふ。発動すれば絶源悪煞と為す。只、一度は許すも再び求め難し一に難辛を主とす」

金銭財貨を求める占いには父母の発動を嫌う。もし発動すれば妻財の原神となる子孫を剋し、また破財星兄弟の原神となるために、財星を枯らせる凶星となる。しかし兄弟が静爻であるときに限り、その発動は親や年長者に財を求めて一度であれば験あるも、重ねて求めるは得られないという象である。

「出行を占ふ。行李と為す。旺相なれば多く休囚すれば少し、空亡なれば無し」

旅行や行商などの占いにはこの爻をもって荷物とする。父母爻が旺相であれば多く、休囚ならば少なく空亡ならば身寄りのない放浪の旅人である。

「行人を占ふ。書信と為す。吉神を帯ぶれば安書と為す。凶神加ふれば凶信と為す。発動して世を剋すれば必ず信の至る有り、空亡墓絶なれば沓として音書無し」

※(注)本文「空亡意絶沓無」とありますが、「意絶」は「墓絶」の誤植と判断します

父母は文書の爻、ゆえに遠方旅行中の人からの手紙や電話、連絡、音信とする。もし天元禄(十干禄)あるいは天喜(医)などの吉神を帯びれば、旅中無事の連絡である。

白虎や劫殺、往亡などの凶星を帯びるような時は悪い知らせである。もし発動して世爻を剋すような場合は、「物来我就」であり、知らせが届くのは早く、世爻を生じる時は刻に比べると遅いが必ず知らせは届く。空亡、墓絶、休囚、伏神は居所がわからず音信がないという象である。

「家宅を占ふ。屋宇と為す旺相すれば深沈闊克なり。月日忌神を帯ぶれば乃ち新創整斉。無氣なれば乃ち窄狭低少。衝に逢へば必ず崩催破壊す。青龍を加ふるも、亦た是れ新屋なり。白虎を帯ぶれば必ず是れ旧居なり」

父母は家宅の用神となる。ゆえに旺相であれば規模は大きい豪邸である。月併や日併、あるいは天乙貴人を帯びるような時は新築であり、父母爻休囚であれば狭い粗末な家屋で、もし月破にあたるならば

傾き半壊の様相である。空亡であれば借家であり、青龍を帯びればこれもまた新築であるが、白虎を帯びれば中古の家屋である。

「国家を占ふ。城池と為す。氣有れば則ち城池堅固なり」

父母を城郭とする。ゆえに国家の占いであれば城郭の象であり、旺相休囚をもって城壁、池濠、要塞などの堅弱を推断する。月併であったり日併であれば、難攻不落の堅城である。

(この節の国家とは国防として解釈する)

※(注)日常の占いで国家を占う機会はあまりないと思われますが、例えばこれを「会社」「組織」に置き換えて占う場合も「父母」が用神となります。この場合、城壁の堅固は組織力の強弱と置き換えられますし、旺相であれば結束力は固い、休囚であれば内部に反乱分子、不満分子がいる…というように解釈します。

「征戦を占ふ。旌旗と為す。静に宜しく、動に宜しからず。動けば則ち必ず師を興す」

軍隊の動静を占うには父母の爻が静爻であることが望ましい。動けば旗頭の用神であるので必ず軍隊の出動を見、砲火相交えるの象とする。ゆえに戦争の有無はこの爻をもって決める

※(注)軍隊の用神を「官鬼」とするか「父母」とするか悩ましい所です。本文では父母を「旌旗」と表現していますが、現代的に訳せば軍の出動を決断するのは「国家、政府」であり、特定の国家の開戦、宣戦布告の有無を断じるのであれば、「父母」を用神とし、二国間の軍事衝突、則ち戦争の有無を断じるのであれば「官鬼」を用神とすべきと考えます

「疾病を占うふ。双親の用爻と為す。旺に宜しく空に宜しからず。空なれば則ち必ず危うし。子孫の占病は則ち悪煞と為し、静に宜しく動に宜しからず。動けば則ち必ず死に至る」

親の病氣の占い(病體を占う)に在っては、父母を用神とする。ゆえに旺相が吉で空亡は凶である。もし占って真空となる場合は危篤を恐れるのである。子どもの病気(子どもの病體を占う場合)では用神子孫の忌神となるために、その発動を恐れる。静爻であることが吉で発動した時、用神に月建や日辰からの生や比和、原神からの生が無ければ必死の象である。

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