易経「繋辞下伝」を読み解く41

易経繋辞伝
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易経「繋辞下伝」を読み解く40
繋辞下伝第9章第3節

易経「繋辞下伝」を読み解く41

「易の書たるや、広大にして悉(ことごと)く備わる。天道あり、人道あり、地道あり。三才を兼ねてこれを両(ふた)つにす。故に六なり。六とは它(た)にあらず。三才の道なり。」(繋辞下伝第10章第1節)
「易の書たるや、広大にして悉く備わる。天道あり、人道あり、地道あり。三才を兼ねてこれを両つにす。故に六なり。六とは它にあらず。」

「書物としての易経は広大なもので、その遍く一切のものを縫合し、ことごとく物事の道理を明らかにしているのである。

易経には天の道、地の道と人の道が表されている。

この三つの道を全て陰と陽に両(二つ)に分かつ。ゆえにこれを“6爻”で表すのである。

易の卦が六つの爻で構成されているのはほかでもない、天には昼夜の道があり、地には乾湿の道があると同じく、人の道に幼老の道がある。いずれもこれは“吉凶”で表すことが出来る易の道である」

天地の間に立つ、人間の役割

二進法と三進法で数を進めると、その最小公倍数が「6」です。

易は陰陽で分ける二つの世界観と、天地人の三つの世界観を表すに、どうしても「6」という数字を採用せざるを得ません。これ以上であれば、その数は「12」となり、易の卦象としては複雑になって、吉凶の判断は複雑にその読解は難解となる所です。

易の変化は「易簡」という辞が示す通り、その変化はあくまでも「吉凶」の二つのみですから、12爻の卦象ではその解釈はより吉凶の二元論では収まらず、複雑難解となり「易簡」の意義に反することになります。

天道は上下の広がり、地道は左右への広がりであり、それ単体は二次元の世界です。しかし、ここに人間が加わることで空間的な3次元の世界が広がります。

人間の存在は、二次元的な世界に三次元の価値観を付与する存在であり、その三次元の世界をより発展生成させていくことに人間の役割があります。

孔子も老子も、陰陽を門と例える。

易経「繋辞下伝」を読み解く29
繋辞下伝第6章第1節

ここに「人」を加えると「閃」となります。

だから人間の存在は、この世界を文字通り切り拓くための発明、発見を成す「閃」が求められており、64卦の卦象をヒントに、様々な道具や、生活をより豊かにする手段方法を考え出してきたことは、繋辞下伝の第3章で孔子も解説してきたところです。

 

一方で、人間というものは一方でこの三次元の世界を照らす太陽でもあります。だから門の中に「日」があって人間となります。

 

天の運行、地の運行を明らかにしその流れが吉(生成発展)であるのか、凶(還元再生)にあるのかを分別し、取るべき行動を明らかにする。

 

このことは全て易経の中に表されており、この陰陽吉凶の仕組みを理解し、この世界をより良い方向、発展生成という易経の本質に同じくする方向性に導くことが出来るのも人間にしかできないことです。

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